2019.11.08 14:47「私は果実」(短文)私は絶えずこのタネを、羽衣の如く護り続けてきたのだ。若草色の光を秘める水晶だ。いつの日か声も枯れてしまって、然し遠い、あの草木茂る母の元へ帰らねばならぬ。私の思想が尽きたとき、やっと本当の私が芽を出すのである。