「私は果実」(短文)

‪私は絶えずこのタネを、羽衣の如く護り続けてきたのだ。‬
‪若草色の光を秘める水晶だ。‬
‪いつの日か声も枯れてしまって、然し遠い、あの草木茂る母の元へ帰らねばならぬ。‬
‪私の思想が尽きたとき、やっと本当の私が芽を出すのである。‬

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